環境活動が会社を変えた:大成興業株式会社

「環境活動をやることによって、会社の体質を強くする」(大成興業株式会社:若松社長)

case02.jpg 環境活動をきっかけに、会社の体質改善を実現した大成興業株式会社。ISO14001認証取得の苦労や、環境活動が会社をどう変化させたのか、取締役社長の若松さんにお話を伺いました。
 大成興業株式会社は、板橋にある本社と群馬の新治工場とでISO14001の認証を取得し、認証取得後も精力的に環境活動を続けています。

環境活動が会社を変えるきっかけに

Interviewer 環境活動を始めたきっかけを教えてください。
若松さん 私どもの一番のお客様から、環境ISOとか、そういう活動をきちっとやってほしいと。そうしないと、将来は取引についても差し障りがあるというお話がありまして。
Interviewer そこまでお話があったわけですね。
若松さん ええ、ありましたね。で、お客様の方で勉強会を開催してくれたわけです。半年間くらいかな。毎月1回、2時間くらいでしたかね。一生懸命、受けたつもりなんですが、それだけできちっとした活動をやれるかというと、自信がなかったわけです。で、そのときの講師であった杉浦さんに個別指導をお願いして、本格的にやることにしました。
お客様からは、2年間かけて、ある一定水準、お客様の言うガイドラインの85点以上を取ってほしいと。もしくは公的な認証を取得してほしいという話だったんです。どうせやるんだったら、やっぱり最終目標の認証を受けよう、一生懸命に取り組んでみようか、というのが発端なんです。
Interviewer 素晴らしいですね。認証を取るのは、ものすごく高いハードルだと思うんですが。
若松さん だと思いますよ。私たちレベルでは(笑)。まあ上場企業さんだとスタッフがしっかりしていまして、専門で推進する部署もあります。私たちのような中小企業は、専門のスタッフを持てないわけです。日常の忙しい業務をやりながら、兼務でやるわけです。ですから、中小企業が認証取得するとなると、大変だと思いますね、正直言って。
Interviewer そういった大変な状況を予測されつつも、「取ろう」と決められた強い原動力は、やはりお客様からのご要望ということでしょうか。
若松さん そういう部分と、会社が今年で創立49年なんです。今年の6月から50周年に入るわけですけど、会社自体が変わりたいというのがありました。
Interviewer 「変わりたい」と?
若松さん そういう気持ちがありました。私どもの会社も、お客様のニーズに合わせた形で変わってきてはいるんですが、もう一段、変わる必要があるなと。だからお客様が、そういうきっかけを与えてくださった。で、当社としては、思いきってそれに乗っかった。だから外的要因はあったけど、内的要因もあったということなんです。
Interviewer うまくマッチングされていた感じですね。ちょうど合ったという。逆にそういった活動に取り組まないと、かなりマイナスの印象に?
若松さん そうですね。今までもそこそこはやっていましたが、やっぱり社員の意識の問題だとか、仕事を進めていく上での進め方、その変化のテンポが遅かったと思います。ISOに取り組むことによって、5年、6年かかることを、1年、2年でできたと私は思っていますけど。

サジェッションが有効に

Interviewer 本当に高いハードルにチャレンジなさって、そうとうご苦労がおありだったと思います。具体的には、どんなところが一番大変だったんでしょうか?
若松さん 先生(エコサポート:杉浦則之)にお願いするきっかけは、私自身が講習会を真面目に受けて、いろいろ書類も読んだんですけど、なかなか本当に理解できない。で、自分が会社でリーダーとなって、本当に進めていけるのか自信がなかった。どういう手順で活動をして認証にもっていくのかと。だから、先生にお願いして、コンサルしていただいた。すると、自分たちも一生懸命やる気はありますから、ある程度サジェッションいただければ、きちんとやっていけるわけです。わからないところがあれば、お伺いできるわけで。やっぱり私どもだけでは、できなかったなと思いますね。
Interviewer ではサジェッションが、かなり有効だったわけですね。
若松さん 有効でしたね、私どもの場合は。他の会社さんでも、私どものレベルのところだと、自分たちだけでやるというのは難しいです。相当優秀な方が社内にいないと、ちょっと難しいと思いますね。これは私の正直な実感です。

「あうん」を「ルール」へ

Interviewer 取り組んでみて、そのメリットや効果というのは、具体的にどんなところでしょうか?
若松さん メリットというといろいろあるんですけど、一つは、最初に行った、事業活動を環境側面から分析する、ということですね。事業活動がどういう形で環境に対して影響を与えているのか、理解していなかった。そういう切り口で見たことがないですから。だから、分析することによって、環境活動のポイントが明確になってきました。
それともう一つは、今までも法的な規制もあったりして、環境対策はしているわけです。でも、そのとき、そのときでやっているだけだから、繋がっていないんです。環境という物差しでいろんな形のものを測ると、それぞれの事柄がリンクしているのが見えてくる。これは、大きな成果だと思います。
それと、環境活動では、いろいろなものをルール化しなければいけないわけです。きめ細かく、きちっと、明確なルールというのは、なかなか私どもでは決められていなかった。暗黙の了解というやつですね。
Interviewer あうんの呼吸といいますか。
若松さん そう、あうんの呼吸。中小企業は特にそうなんですけど。でも、「これは常識」と思っていることでも、実は全員が理解しているわけではないんです。手順を明確にして、ルール化することによって、私も、社員も、その関係部署の人も、「どういうことを、どうやらなければならないか」ということが、はっきりしてくるわけです。見えなかった部分が見えるようになると、非常に取り組みやすい。会社としては非常によかったなと思います。
環境に関わることだけじゃなくて、他の部分も一緒になって改善していますから、会社全体として非常にメリットが出てきている。会社として「変えたい」と思っていたものが、環境活動をきっかけに具体的に変化している。これが大きなメリットだと思います。